和名 : ハゼノキ (櫨の木・黄櫨)
学名 : Rhus succedanea
syn : Toxicodendron succedaneum

科名 : ウルシ科
分布 : 中国、台湾、東南アジア


 「ハゼノキ」(櫨の木)は、日本の暖地を中心に、人里に近い山野などで普通に見られる、ウルシの木の仲間。

 其の昔、ハゼノキは、琉球を渡って西日本の各地で広く栽培されていました。其の理由は、「果実」から「木蝋」(もくろう)を採取する為です。

 今の様に、「照明器具」である蛍光灯や電球、LED、ランプなどが普及する以前は、もっぱら「ロウソク」(蝋燭)や、菜種油を用いた「行灯」(あんどん)等が、日常の重要な光源となっていました。

 亦、国内外を問わず「木蝋の需要」も高かった事から、農家の重要な収入源となり、各地で生産が盛んに行われてゆきます。

 しかし、パラフィン(石蝋)を原料とした西洋ロウソクが普及すると、伝統的な日本の「木蝋」の需要は、瞬く間に「衰退の一途」を辿ったのでした。

 四国、愛媛県の内子町には、美しい「白漆喰」の白壁や虫籠窓、なまこ壁などで有名な町並み保存地区があります。

 此の重厚な商家が建ち並ぶ風景は、嘗て、「木蝋」によって財をなした人々の「往事の繁栄」を、今に伝えています。


平成17年5月29日・11月23日 清澄庭園、小石川植物園、浜離宮、他
撮影者:梅本浩史

ハゼノキ 全景

中国では、「野漆」(野漆樹)と書く。

ハゼノキ 花

現在では、果実(内果皮のロウ質)から採取された「木蝋」の用途も、和ろうそく(和蝋燭)や鬢付け油、ポマード、

ワックスの原料等に用いられる程度で、昔のような需要はなく、国内の生産量も激減してしまったままの状態。

ハゼノキ 鼠の小判

西日本では、ハゼノキの種を「鼠の小判」と呼ぶ地域
がある。この実を、お財布などに入れて持っていると、
「小銭」が貯まる、幸運になる、とも云われます。


ハゼノキ
ハゼノキの実  鼠の小判

小さな女の子たちにも大人気♪の「ねずみの小判」。


種は、艶のある外果皮と、繊維状の内果皮に被われる。

秋のハゼノキ 清澄庭園のハゼノキ

ウルシの仲間だけあって、秋の紅葉は、非常に綺麗である。まるで、燃え盛る炎のように紅葉した姿は、庭園木としても秀逸。

日本では、「黄櫨」を「ハゼノキ」の名に充ててしまっているが、中国で云う「黄櫨」とは、「ハグマノキ」を指す漢名である。

(※ ハゼノキにも、「皮膚かぶれ」の原因となる「ウルシオール」が含まれる為、「はぜ負け」を生じる事がある。)

   緑の絵画館 : 私の植物図鑑 「ハゼノキ」 
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