和名 : キハダ (黄蘗、黄膚、黄肌)
中国名 : 黄柏、黄檗、元柏
学名 : Phellodendron amurense
科名 : ミカン科
分布 : 北海道〜九州、樺太、朝鮮半島、中国、他


 キハダは、日本の各地で見る事の出来る、落葉高木。古くから、「生薬」や「木材」として、利用されて来た歴史があります。

 生薬としては、「黄檗・黄柏」(おうばく)と呼ばれ、健胃薬や整腸薬、湿布薬などに利用されます。其の効果・効能は、口内炎や肺炎、腸炎、捻挫、腰痛など、かなり広い範囲に及びます。

 
 「黄檗」(おうばく)と聞くと、禅宗のひとつ「黄檗宗」を思い浮かべる人もおられるでしょう。京都の宇治市にも、隠元和尚の黄檗宗「万福寺」がありますよね。(^_^-

 中国の福建省にある「黄檗山」には、唐の時代に「黄檗希運」と呼ばれる禅僧が、山に佇む「福建寺」に出家し修行をされました。


 禅師は、黄檗山での修業時代を忘れまいと、江西省へ移ってからも、「黄檗山・黄檗寺」と名付けた寺で修行をつまれます。弟子の中には、後に「臨済宗」を開く、「臨済義玄」もおられました。

 此の「黄檗山」の由来は、其の地域に「キハダ」(黄檗)が多く産する事から付いた名だと云われます。

 
平成21年5月25日・6月14日  北大、北大植物園、都立薬用植物園、
潮風公園、箱根恩賜公園、小石川植物園、筑波実験植物園
撮影者:梅本浩史
北大キャンパスのキハダ H22,10,25撮影
キハダ 樹皮

キハダの木肌(※洒落です)は、成長と共に、縦に裂けてゆく。コルク層が、厚く発達する事から、瓶の栓などにも利用された。

キハダ 花序 キハダの新芽
キハダ 花序 キハダ 蕾み

キハダは、雌雄異株で、雄木と雌木の区別がある。ヒロハノキハダ(カラフトキハダ)や、オオバキハダ、

ミヤマキハダなど、地域変種も多い。北海道や東北では、「シコロ」、「シケレベ」等とも呼ばれる他、

アイヌでは、キハダの果実を「シケレペ」と呼んで、「食用」や「薬用」に利用してきた歴史がある。


キハダの果実 H22.10.25 北大キャンパスにて コルク層の発達したキハダの樹皮

キハダの葉は、大型の奇数羽状複葉で、対生葉序。樹皮の「内皮」を乾燥させた「黄柏」は、薬用の他、染料としても利用する。

和薬として古くから利用される常備薬の「陀羅尼助」(だらにすけ)も、「黄柏」を煮詰めた物に、各種薬草を加えた胃腸薬。
 
キハダ 羽状複葉 キハダの内皮 (黄檗)

薬効の成分は、ベルベリン(berberine)など。茎や葉には、特有の臭気があり、アゲハ蝶の仲間の幼虫が食べる食樹となる。

黒く熟した果実は、苦くて甘い為、「果実酒」に利用する他、煮詰めたものは、風邪などの際の「咳止め」にも使用する。


  緑の絵画館 : 私の植物図鑑 「キハダ」