和名 : サキシマスオウノキ
学名 : Heritiera littoralis Dryand.
科名 : アオイ科(アオギリ科)
分布 : 熱帯アジア、ポリネシア、熱帯アフリカ
八重山諸島、沖縄本島など。


 南国、沖縄地方にも見られる、とても「不思議な姿」をした常緑高木。其の特徴は、なんと云っても「板根」(ばんこん)にあります。

 何か別の生き物の様な、この「特殊な形態」は、地下にあまり根を張れず、地上部の板根によって、樹幹を支持する為とも云われます。(注:写真の根も、高さ 1.5mほどあります。)

 名前は、沖縄の先島(サキシマ)と、黒味を帯びた紅色染料が採れる「スオウ・蘇芳」に由来しています。板根は、其の形状から、船の「舵」などにも利用されました。

 もう一つ、特筆すべき事に「種子」の話があります。サキシマスオウノキの種は、堅果(殻果)ですから、鳥類は食べる事が難しい。しかし、果肉が繊維質になっており、空気を含んで水に浮きます。

 ちょうど、ヤシの様に漂流して、分布を広げる訳ですね。此のような種子散布を、「水散布種子」と呼びます。尚、漂着した場所は、秋田県にまで及んだ事例があるそうです。

 西表の森の中で、初めてこの木に出会った時、本土で見る巨樹たちに擁いた印象とは、若干異なる、不思議な感覚でした。本能的に感ずるのは、自身の存在の小ささ...。そして大自然への畏敬の念である事だけは、確かです。


1999年10月6日 14時頃 西表島にて
撮影者:梅本浩史





↑ 西表島のマングローブ林


 1978年3月22日、国の天然記念物に指定された、沖縄県 西表島・古見の「サキシマスオウノキ」群落。ヤエヤマヒルギ等の「マングローブ」の後方に生え、樹高5〜15mほどに育つ。


見事なまでに波打つ根の姿「板状の根っこ」(板根)
  緑の絵画館 : 私の植物図鑑 「サキシマスオウノキ」