●古都鎌倉に息づく歴史と緑を訪ねて


鎌倉を散策すると其の古都ならではの落着いた魅力と共に、自然の豊かさに気が付く方も多いと思われます。観光地化した場所では、全国の方言を耳にしながらの賑わいも楽しく、また少し散策すると、人の気配の少ない苔生すお寺に辿り着く事も御座います。

また行く先々の歴史的建造物には、其の時間の経過を物語るような「巨樹・古木」等に巡り会います。その様な歴史的景観の中を散策していると、ふっと自分が今、どの時代に居るのか判らなくなる事もあったり致します。四季折々の木々の表情や花を愛でながらの寺めぐりも、鎌倉の魅力の一つです。

古寺の境内に咲く木々の花の姿は、寺の雰囲気によく合い、風趣に富んでいます。季節の花を訪ねて散歩すると、季節・月毎に咲く花達の変化にも巡り会えます。それらを訪ねて散策するうちに、忘れていた自分の中の何かを発見出来るかも知れません。かつて、NHKにて放送された『北条時宗』の当時の人気ぶりも、今では懐かしく思い起こされます。

「旅の絵日記」
巨福山建長興国禅寺  「建長寺」


鎌倉五山の第一位、臨済宗建長寺派の大本山。北条時頼が1253年(建長5年)に宋から高僧蘭渓道隆を招いて建立した、我が国最初の禅寺です。総門・三門・仏殿・法堂などの主要な建物が中軸上に並ぶ禅宗様伽藍配置になっています。仏殿の前にある樹齢730年程と言われる「ビャクシン」の古木があり、建長寺の歴史を感じさせます

総門から三門をくぐり、境内に入ると仏殿に至る参道の両側に列植される巨大な「ビャクシン」が整然と並び、見事な樹形を見せてくれます。その一部は創建当初のものといわれる事から、樹齢七百年を超えるものとされている。樹幹には様々な着生植物が見られ、其の姿・形・風格は実に見事です。

      〜北鎌倉周辺〜 

瑞鹿山大円覚興聖禅寺   「円覚寺」

臨済宗円覚寺派大本山。文永・弘安の役の戦死者を慰霊するため、北条時宗が無学祖元(仏光国師)を招いて1282年(弘安5年)に創建しました。約6万平方メートルという寺域は、全体が史跡に指定されています。見事な杉達と、緑深い山ノ内の谷戸に抱かれた境内は、季節の美しい花々も楽しめます。境内のビャクシンには「カヤラン」が着生しており、5月には美しい黄花を見ることができます。あの夏目漱石が禅に通った円覚寺。墓地には、開高健、田中絹代、坂本弁護士一家も静かに眠っておられます。

松ヶ岡東慶寺   「東慶寺」 

臨済宗円覚寺派に属する寺。北条時宗夫人覚山尼が時宗の菩提を弔うため、1285年(弘安8年)に開山した寺で、明治に至るまで尼寺でした。1903年(明治35年)ときの円覚寺管長釈宗演禅師によって男僧寺に変わりました。鎌倉の代表的な花の寺で、境内には60種類を越える花が植えられており、四季を通して楽しめる。岩肌には 「岩煙草」が見られ、春の梅林も また見事です。

金宝山浄智寺   「浄智寺」 

臨済宗円覚寺派に属する寺です。北条宗政夫人が一族の助けをえて、1281年(弘安4年)頃に起こした寺で、亡夫と幼少の師時を開基にしています。庭の白雲木や、唐種招霊木が、5月に美しい花を咲かせます。参道右横の大木タチヒガン(さくら)は、神奈川県指定百選の一つになっています。また、仏殿横のコウヤマキは、鎌倉一の巨木で、鐘楼前のビャクシンと共に鎌倉市指定文化財です。
            〜鎌倉周辺〜

扇谷山
  「海蔵寺」

臨済宗建長寺派の古刹。美しい木々と重なり合う鐘堂、境内には「花海棠」をはじめ、様々な種類の植物が愛でられる。谷間にある静かな寺での時間は、心を穏やかにします。

薬師如来をご本尊に、複数の岩窟や、禅宗風の庭園、四季折々の見事な木々たちに囲まれて、ひときわ厳粛な雰囲気に満ちています。周囲には、大型の「コモチシダ」が一面に垂れ下がっています。
鎌倉の植物たち
臨済宗建長寺派 福源山  「明月院」


1256年(康元元年)に5代執権 北条時頼によって最明寺という隠居所が建立されます。その後、嫡男の北条時宗が禅興寺として再興しました。足利三代将軍義満の頃、此の禅興寺は関東十刹の一位とされます。

禅興寺は、明治になって廃絶しますが、塔頭の明月院だけが残されました。今では「紫陽花の寺」として広く知られています。境内には再建された本堂、北条時頼の宝篋印塔のお墓、鎌倉十井のひとつ瓶ノ井、明月院やぐらなどがあります。尚、紫陽花以外にも珍しい草花や木々たちに、次々と出会えます。